乳がんになってからの恋愛婚活事情①
AYA世代がん患者にとって
とてもとても悩まなくちゃいけないその後の恋愛。
癌がわかった時、
『わたしはもう結婚もできないんだ』とも思ったし
出会いを探す時は
『癌になった女性と付き合う人なんているのか』とも思った。
結論から言うと、
癌になった当時に付き合っていた彼とは別れた。その後すぐに新しい出会いがあり2年弱付き合って、結婚をした。
結果はかなりのハッピーエンドだ。
でもここまで来るまで、恋愛や結婚に関してはたくさん悩んだし乗り越えなきゃいけない壁もあった。
ドキュメンタリーやドラマだと、
病気がわかり相手のことを思って突き放すんだけど、
俺は◯◯と一緒にいたいんだ!と自分のところへ戻ってきてくれる。
ドキュメンタリーやドラマはそう決まっているけど、実際はそうではない。
がん患者となったことで恋人が離れてしまったり、その後新しい恋愛ができなくなったりするかもしれない。
交際はできたのしても、結婚となれば家族がどう思うのか。
不安で不安で仕方なかった。
がんそのものについてはわからないことは病院で聞けばいいわけだし、治療については信頼できる主治医の指示に従うのが正解。
だけど恋愛や結婚については正解がない。
どうしたらいいかわからなくなった私は、AYA世代がん患者の団体Stand upのフリーペーパーを読み漁った。
そこにはリアルな体験が載っていた。
とても参考になったし、新しい出会いがあった時どう癌をカミングアウトするのか?などは、体験談を参考にしていた。
ただ、これは本当に人による。正解があるわけじゃない。
参考になるのかはわからないけど、AYA世代患者のひとつの体験談として書いて見ようと思う。
手術から2年が経った今のはなし
久しぶりにこのブログを開けた。
今日で手術をしてからちょうど2年。
乳房全摘手術を行い、ステージ、サブタイプが判明。
ホルモン療法を開始し、3ヶ月に一度通院していたが前回から半年に一度となった。
全摘手術の際に、皮膚を伸ばすためのエキスパンダーという風船のようなものを入れ、半年後にシリコンへ入れ替える手術をした。
今もホルモン療法を続けているが、半年に一度の注射と、毎日の飲み薬のみで、大きな副作用も出ていないため日常生活を病気でない人と同じように送れている。
今のところ再発もしていない。
この2年間は私の人生の中で最もいろいろな出来事があった期間かもしれない。
▪️新卒で入った会社を辞め、今の会社へ入社
▪️実家をでてひとり暮らしスタート
▪️手術から3ヶ月後に出会った人と付き合う
そして、先日婚約をした。
がんがわかった頃は『人生終わった』と絶望していたけど、
2年後こんな未来があったのだ。
私は本当に恵まれていた。でもこの2年間は自分頑張ったんだな〜とも思う。
がんになってからの
就活事情と婚活事情についてはまた詳しく書こうと思う。たしかにいろんな苦労があった。
とりあえず、今の私は幸せだ。
もちろん、今の私にも不安なことや辛いことはいっぱいある。
再発のリスクだって続いている。
だけど26歳でがんになった2年後、
こう思える日が来たことが嬉しい。
術後病理検査の結果
手術で乳房を摘出し、病理検査を行う。
病理検査で転移の有無、がんのタイプを調べ、
薬物療法の内容が決定する。
手術から3週間後、
退院から約10日。
病理検査の結果を聞くために両親と病院へ行った。
まず先生から摘出した組織の写真を
出してもいいかの確認の後、
モニターに写された写真を見ながらの
説明があった。
右は
赤い乳腺組織の中に
白い岩のようなものがあった。
たしか1.3センチと書いてあった気がする。
左は
大きさが数ミリで小さく
術前の検査で大半を取っているため
ほぼ残っておらず何故か黒くなっていた。
リンパ節への転移はない。
がんのタイプは
術前の検査と同じ結果で、
ホルモン受容体陽性
HER2タンパク陰性の
おとなしいタイプのがんとのことだった。
抗がん剤治療は必要ないと考えられ、
再発を抑えるためにホルモン治療が
勧められる、とのことだった。
進行具合、ステージについて質問すると
腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無から
ステージIにあたるらしい。
職場復帰のことも考え
今後の通院頻度、治療内容、期間、副作用
についての質問もした。
今後は
3ヶ月に一度の外来でホルモン治療を行う。
注射とホルモンの薬を毎日服用する。
人によるが5年間〜治療が続く。
ホルモン治療によって更年期症状などの
副作用が出ることがあるが
多くの人が仕事をしながら治療をしている。
また3ヶ月に一度経過観察も行う。
そこに再建手術をしたため、
形成外科の診察も入ってくる。
あと妊よう性保存について。
がんの治療によって妊娠できる力が失われる可能性がある。
病気の治療前の妊よう性保存治療を
専門にしている産婦人科が
県内の大学病院にある。
妊よう性保存治療を希望し、
紹介状を書いてもらい後日大学病院を受診する。
妊よう性保存については
まだモヤっとしている部分があるけど、
詳しい話は大学病院になるので
そこで色々聞くしかない。
次の乳腺外科の診察は1ヶ月後。
そこからホルモン治療が始まるのかな。
抗がん剤が必要でない=再発リスクが少ない
ということだからホッとしていいのか、
だけどがんなのに抗がん剤を使わなくて大丈夫なのか?
といった不安もある。
髪も抜けないし大きな副作用がないのは
嬉しいことだけど。
そろそろ職場復帰のことも考えないといけない。
遺伝性乳がん検査①
⚫︎両側乳がん
⚫︎若年性
⚫︎乳がんの家族歴あり
これらが当てはまるため、
遺伝性乳がんの可能性があると
クリニックでも言われていたし、
総合病院でも
遺伝性乳がんの前提で話を進めると
言われていたくらいだった。
遺伝性乳がんのひとつで
最も頻度の多い
の検査を受けることになった。
ハリウッド女優の
アンジェリーナジョリーがこの遺伝子を
持っていて
病気になる前に乳房と卵巣を摘出したのも
有名な話だ。
しかし、この検査結果は“−”だった。
頻度は少ないものの、
それ以外にも乳がんを引き起こす遺伝子があるらしい。
その中には治療や検査で放射線を当てることにより
肉腫を形成するものもあるらしい。
それ以外のがん遺伝子を調べるためには
大学病院へ行き、
遺伝カウンセリングを受ける必要があるらしい。
母の勧めで大学病院へ紹介状を書いてもらったが、
私は遺伝検査を受けることにこの時点で前向きではなかった。
遺伝には倫理的な問題もある。
病院で受けるように言われた検査はきちんと受けて、結果は陰性だった。
保険診療の検査はちゃんと受けたのだから
これ以上遺伝を突き詰めなくてもいいじゃないか。
私の家系でがんが多発しているわけでなく、
むしろがんは少ないように感じる。
若くしてがんになった人もいない。
なのに自分にがん遺伝子があるとわかったら
ショックを受けるかもしれないし、
父母どちらか、その親戚もその遺伝子を持っている。
その親戚にどこまで話せばいいのか。
がん遺伝子を持っているということを
一生背負う必要ないのかな、
そう思っていた。
誰でもがんになる可能性はあるのだし、
受けられる健診はみんながちゃんと受ける
それでいいのでは?と思っていた。
カウンセリングを受けてから
遺伝子検査は受けないという選択も可能らしい。
自分には医学的な知識はなく
遺伝子検査を受けることでどんなメリットがあるのか
倫理的な問題もどうするべきものなのか、
それも含めてのカウンセリングだと思ったので、
とりあえずカウンセリングは受けることにした。
後日、母と一緒に大学病院で遺伝カウンセリングを受けた。
長くなりそうなので続きは後で。
入院手術費用公開
入院と手術には高額な医療費がかかるため
4月は高額療養費制度の利用となった。
高額療養費制度とは
その月に医療費が限度額を超えた場合、
その超えた分の金額が戻ってくるという仕組みだ。
限度額は収入によって決まり
一般的な収入であれば5万〜10万くらい。
(ざっくり)
食事代(病院食)、個室代、自費による検査治療は対象外となる。
期間は1日〜月末まで。
4月は手術費用が含まれているため
限度額に達したが、
5月は限度額に達していないため、
5月はこの制度の対象となっていない。
つまり、入院は同じ月におさめておいたほうが
よいということだ。
私は月末〜月初めの入院で
月をまたいでいるため
高額療養費の利用で考えると
賢いタイミングではなかったということだ。
もちろん治療を早くすることが第一なので
仕方がない。
事前に手続きを済ませておいたので、
後からの返金でなく
窓口の支払いは限度額を考慮したものとなっていた。
【4月分(25日〜30日)】
入院手術費用等 私の限度額(数万)★1
個室費用5日分 49,500円★2
食事費用12食分 6,900円★3
★1,2,3 合計額 10数万円
私の限度額については年収がバレてしまうので
非公開ときておきます笑
【5月分(1日〜6日)】
入院費用等 52,570円(限度額達さず)★1
食事費用13食分 7,360円★2
★1,2 合計額 59,930円
5月はずっと大部屋にいたので
個室代はかかってない。
2月の合計額が
今回の入院でかかった費用である。
健康保険と高額療養費制度を利用しているが
結構高額ではないだろうか。
ただ、
ずっと大部屋で入院期間を同じ月におさめたら
数万で済んだと思われる。
がんの手術で標準治療であれば
一気に数百万の費用がかかることは無いと思う。
きちんと貯金をしておけば十分払える金額だと思う。
ただ今後治療が長期化すると
たくさんのお金がかかることは事実だと思う。
入院や手術で社会人1年目で加入した保険が降りるので
入っておいて正解であったと思う。
退院
昨日退院した。
2日前の夜にドレーンを抜き、
当日の朝に主治医の許可が降りたので退院となった。
入院期間は11泊12日。
予定より少し長くなったけど、
順調に回復し退院することができた。
痛みも日を追うごとに軽くなり、
術後上げられなかった腕もだんだん上げられるようになり、
人間の回復力を見ることができた笑
次の受診は
形成外科が1週間後。
傷口の確認と今回の手術で入れたエキスパンダーに水を入れる。
乳腺外科が10日後。
手術後の病理検査結果によって
詳しい状態が分かり今後の治療方針が決まる。
看護師さんから退院後の生活や
次回診察の説明、内服薬の説明、
あとなぜか体重測定をした。
最後、エレベーターに乗る前に
若い看護師さんと少し話した。
ちょっとした世間話の後に
“頑張ってね”
“ほんとは頑張ってって言っちゃダメなんだけど”
医療現場での患者対応のことは全く知識がないけど、
病気を頑張って治そうとしている人に
“頑張れ”と言ってはいけない。
“今すごく頑張ってて辛いのにもっと辛い思いをしなきゃいけないのか”
となってしまう。
というのを昔聞いたことがある。
でも私は
優しく声をかけてくれたことが嬉しかった。
病棟まで来てくれた母と一緒に
窓口にて退院手続きを済ませた。
その後入院中食べたいと考えていた
まぜそばを食べに行った。
5月の過ごしやすい気温
体と晴れていて、外の空気が
心地よく感じた。